2020.03.17
昔の花火は筒の底に打ち上げ火薬を入れその上に花火玉を入れてその筒に落とし火を投げ込み花火を打ち上げていました。
ですから花火師は常に打ち上げ用の筒の近くにいることになりますね。
このようなやり方は今ではほとんどありません。危険ですもの。
ではどうやって花火を打ち上げているか?
今は電気点火なんですよ。
電気導火線(点火玉)に一定の電流を流すとスパークするんですね。
それが打ち上げ火薬に引火して爆発。その力で花火玉が夜空高く打ち上げられ花火が開くわけですよ。
花火師は、電気導火線に電流を流す電線の長さに応じ離れた場所にいられるわけですね。
当然筒の近くより安全ですね。
しかしこの方法ですと筒の数に比例して電線の数が増えてしまいます。
そこでデジタル制御です。
デジタル制御が可能な点火機とモジュールの組み合わせで300点火ほどの電気導火線を2芯の電線で制御できるようになるんです。
1つの点火機で2芯の電線が4本つなげられるものもあり、300x4で1200点火ほどを制御できるようになっているんですよ。
しかも100分の1秒ほどの間隔でコンピュータ制御できるんですよ。
ですから音楽に合わせて様々な演出効果の花火を上げることができるようになったんですね。
そして花火大会の規模も大きくなり河川敷などではワイドスターマインと称し全長600m位は当たり前です。
制御する電線も長くなるわけですよ。
電線が長くなると電線自体の抵抗値が高くなって点火玉にスパークするのに必要な電流を供給できなくなる事象が発生する事もあるわけです。
そして電線を敷設する労力も大変です。
そこで主要な部分(我々が母線と呼んでいる)を無線化出来たらと思うわけですよ。
でもそこには相互の通信が必要で、遅延があってはいけないのです。
安価で簡易なそんな装置ができないかと思うわけです。
次世代スマホの5Gと呼ばれる通信は遅延がないと聞きます。
これを利用したIP無線などを利用して簡単にできないものか。と期待は膨らみます。